進化した陰ヨガの三原則

進化した陰ヨガでは『グラウンディング』『ホールディング』『リラクゼーション』の3つの原則を柱としています。陰ヨガのアーサナ、呼吸、瞑想を行うことによって、身体の中で『天と地』『陰と陽』を実現できるようになるための重要な柱です。グラウンディングは私達の身体の中で起こり、ホールディングは私達の呼吸の中で起こり、リラクゼーションは私達のマインドの中で起こります。どのようにして太極から生まれた陰陽の大自然の営みと調和する身体とマインドを持つことができるのか。それらを明確にした実践が陰ヨガです。
陰ヨガの3つの原則は、古代中国の叡智に基づく深遠な哲学的基礎を持っています。その実践は肉体を超えた先にあるものを目指します。自身の生命で陰の原則に真に従えば、満開の花の如く満ちた生命をもたらすべく、私達自身の中にある広々とした質を発展させます。それは土の中の種のようにその瞬間を待っています。私たちが陰ヨガの実践でこれらの3つの原則を使用した場合、生命は花のように、種のように変わることができるでしょう。
精 気 神

中医学や道教における人の持つ三つの宝。『精』は肉体を、『気』はエネルギーを、『神』は霊的な意識を表します。この三層が『わたし』という人物を成り立たせています。精は肉体のため、感じやすく扱いやすいものです。気は少し訓練しないと感じられないかもしれません。神は肉体が生まれる以前から存在している本来のわたしです。
陰ヨガでは、身体を使って受動的で静かなポーズを行いながら、精と気に対して具体的に働きかける方法で実践を行っていきます。この精と気を共に鍛えることで、神へのアプローチを目指します。
それは本来のわたしに戻るという、古代中国のタオイズムの発想です。
人は何かしらの学びや日々の習慣を積み重ねることで高みに登って行くように感じますが、ヨーガの実践とは高いところに向かっているわけではなく、全ては本来の自分へと還って行く実践です。それは大いなる宇宙の中で、なんの意図も持たない、作為もない、只々無為自然の状態です。
五行

肉体は臓器を持っていますが、その五臓六腑は木、火、土、金、水という5つの要素に分類することができ、5つの異ったエネルギーの局面を持っています。ひとつひとつの要素は特有の感情を司っており、人は自己の持つ感情の作用により、内分泌系からひいては身体全体を支配されています。それぞれの臓器が持つエネルギーが相互に作用し、バランスが取れ、感情が穏やかであれば、臓器は機能的に働き、健康でいられます。人が病気になったり亡くなったりすることは、この感情が大きな原因になっています。
西洋医学が主流の現代では、治療の現場では感情というものは軽視される傾向にあるかもしれませんが、古代中国ではこの臓器のエネルギーの循環を促し、感情を整えることで、さまざまな病気を治癒してきました。
陰ヨガでは五行のエネルギー、十二経絡に対して働きかけます。
地面反作用

陰ヨガのアーサナでは重力を効率的に利用することを考えます。重力とは宇宙から与えられるひとつのエネルギーの形態でもありながら、地球に住むわたしたちにとってはストレスでしかありません。この重力に対して抗うのではなく、重さを体の中心を通って下ろすようにし、反作用として地面から押し返される力を利用してアーサナを行います。これにより、筋肉の力を使ってがむしゃらに頑張るエクササイズではなく、省エネ的ムーブメントが可能となります。これはエネルギーを無駄に使い身体を疲労させるのではなく、エネルギーを温存させる方法であり、ひいては若さや健康の維持につながります。古代より気功や太極拳ではそのように身体を使います。
その際、高次のステップへと辿る鍵を握るのが呼吸です。
ファシア

最新の解剖学では、筋膜の研究も進んでおり、筋膜のことを指すファシアという言葉も広く使われるようになりました。この全身に張り巡らされているファシアが身体の中で弾力性を発揮し、アーサナ時の地面反作用を可能にします。ただし、あなたのファシアが癒着や炎症を起こしていない、健康なファシアであれば、です。
中医学での経絡は実際には存在しないと言われつつ、近年、ファシアの中にその存在を見ることができました。見る、と言っても具体的には見えないのですが、中胚葉から発生した筋膜が中医学の示すところの気が流れる経路になっていることが、今日までにわかっています。ファシアを知ることは中医学の気の流れ道をより具体的に知る手掛かりを科学的に知り得ることになります。
健康なファシアを手に入れるために進化した陰ヨガを実践してみてください。

進化、そして深化した陰ヨガ
これまでアジアで、そして日本で広まっていた陰ヨガを、古代哲学と現代科学に基づき改善を行い、2016年に新たになった「進化した陰ヨガ」では、各臓器のデトックス、エネルギーの活性化、ヒーリングを目的としたアーサナと呼吸の実践方法を提供し、また理論の分野では「タオイズム」「ヨーガ哲学」「中医学」「最新の筋膜リサーチ」の各項目に基づいて学びを深めています。現在開催中の講座などでは、常に実践と理論が一貫したものとして、講義と練習の両方を学べる場となっています。
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